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こちらの記事では、卵巣がんに関する情報を紹介しています。どのようながんなのか、またどのような治療が行われているのかなどについてまとめました。
卵巣は、子宮の両側にある臓器です。大きさは親指大で、アーモンドのような形をしています。卵巣は卵子を育てる役割のほか、妊娠に備えて子宮をコントロールする2種類の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を卵胞から分泌する役割を持っています。
「卵巣がん」とは、卵巣に発生する悪性腫瘍を指しています。卵巣に発生する腫瘍は、悪性腫瘍のほか、良性腫瘍、境界悪性腫瘍の3種類があります。境界悪性腫瘍とは、悪性と良性の中間的な性質を持つものです。
また、卵巣腫瘍は発生の起源となる組織ごとに分けられます。具体的には「上皮性腫瘍」「胚細胞腫瘍」「性索間質性腫瘍」の3種類に分けられており、最も多いものが上皮性腫瘍と呼ばれる種類となっています。
卵巣がんが進行していくと、腹膜(腹部の臓器や腹壁内側を覆っている膜)などにがんが広がる腹膜播種が生じることがあります。その後、大腸や小腸、横隔膜、脾臓などに浸潤したり、横隔膜リンパ節や肺や肝臓など離れた場所にある臓器への転移が起こったりする可能性があります。
2019年において卵巣がんと診断されたのは13,388例であり、2020年の死亡数は4,876人となっています。
人口10万人あたりの罹患率は20.7例、人口10万人あたりの死亡率は7.7万人です。また、2009年から2011年の5年相対生存率は60.0%です。
卵巣がんは、初期のうちは自覚症状がほとんどありません。下腹部にしこりが触れる、食欲が落ちる、ウエストがきつくなるといった症状が気になって受診し、卵巣がんが判明するケースもあります。
また、がんが大きくなってきた場合には、腫瘍によって膀胱や直腸を圧迫されるために頻尿や便秘が起こることもありますし、足がむくむなどの症状も見られます。さらに進行すると腹水が溜まり、お腹が前に大きく突き出してくるケースもあります。
卵巣がんは初期のうちは症状が出にくいために、自分では気づきにくく、病院を受診するなどして見つかった時には進行しているケースも多く見られます。この点からも、気になる症状等がある場合には早めに婦人科を受診することが大切です。
ⅠA期 | 腫瘍が片方の卵巣に限局しており、被膜表面への浸潤が認められないもの 腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞が認められないもの |
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ⅠB期 | 腫瘍が両側の卵巣に限局し、被膜表面への浸潤が認められないもの。 腹水または洗浄液の細胞診にて悪性細胞の認められないもの |
ⅠC期 | 腫瘍が片側または両側の卵巣あるいは卵管に限局するが、以下のいずれかが認められるもの |
ⅠC1期 | 手術操作による被膜破綻 |
ⅠC2期 | 自然被膜破綻あるいは被膜表面への浸潤 |
ⅠC3期 | 腹水または腹腔洗浄細胞診に悪性細胞が認められるもの |
ⅡA期 | 進展ならびに/あるいは転移が子宮ならびに/あるいは卵管ならびに/あるいは卵巣に及ぶもの |
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ⅡB期 | 他の骨盤部腹腔内臓器に進展するもの |
ⅢA1期 | 後腹膜リンパ節転移陽性のみを認めるもの |
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ⅢA1(ⅰ)期 | 転移巣最大径10mm以下 |
ⅢA1(ⅱ)期 | 転移巣最大径10mmを超える |
ⅢA2期 | 後腹膜リンパ節転移の有無に関わらず、骨盤外に顕微鏡的播種を認めるもの |
ⅢB期 | 後腹膜リンパ節転移の有無に関わらず、最大径2cm以下の腹腔内播種を認めるもの |
ⅢC期 | 後腹膜リンパ節転移の有無に関わらず、最大径2cmを超える腹腔内播種を認めるもの |
ⅣA期 | 胸水中に悪性細胞を認める |
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ⅣB期 | 実質転移ならびに腹腔外臓器に転移を認めるもの |
目に見えているがんを可能な限り取り切ることを目的とした手術です。両側の卵巣と卵管を同時に摘出する両側付属期摘出術や、子宮全摘出術、大網切除術などを行います。さらに、手術進行期の診断を行うため、腹腔細胞診、腹腔内各所の生検、骨盤、傍大動脈リンパ節などを行う場合もあります。
手術でがんを取り切ることが難しい場合に行われます。組織型の診断に加え、可能な範囲で手術進行期を確認することを目的として行う手術です。
初回の手術が試験回復術だった場合や、手術を行ったものの体内に直径1cm以上のがんが残っている場合には、薬物療法を行いながら、がんの量を減らすための手術を計画的に実施することがあります。
がんの悪性度が低い場合や、がんが片方の卵巣・卵管に留まっている場合などは、がんのない側の卵巣と卵管を切除せずに妊娠可能性を残す手術を行えるケースもあります。
ただし、妊孕性温存手術ができるのは、手術進行期がIA期であり、異形度が低いなどさまざまな条件があります。妊孕性温存手術を希望する際には、自分の病状などについて担当医と十分話をして検討する必要があります。
卵巣がんの場合、はじめに行う治療として放射線治療が選択されることはありません。ただし、卵巣がんが再発した場合には、痛みなどの症状を和らげる目的で局所的な放射線治療を行うケースがあります。
卵巣がんの薬物療法には、「術後薬物療法」「術前薬物療法」「維持療法」の3種類があります。
手術の効果を高めることを目的として、手術後に行われる方法です。微小管阻害薬のパクタキセルと白金製剤のカルボプラチンを使用したTC療法を主に行います。また、手術進行期がⅢ期・Ⅳ期の場合には、TC療法に分子標的薬(ベバシズマブ)を使用するケースがあります。手術進行期がIA期・IB期の場合には、術後薬物療法は行わないケースもあります。
術前薬物療法は、初回腫瘍減量手術・進行期決定手術を行うにあたり、がんを取り切ることが難しいと予想される場合に行われます。手術前に細胞障害性抗がん薬を用いてがんを小さくしてから、手術で完全に取り切ることを目指すケースもあります。
維持療法は、寛解後に長期の生存を目的として行われる薬物療法です。
治療の選択肢として、緩和ケアや支持療法が選択される場合もあります。がんになると、体が辛い、治療が辛いといったものはもちろんですが、仕事や金銭面などさまざまな点に関する不安なを経験する場面が多くなります。
緩和ケアでは、がんに伴う心や体、社会的なつらさを和らげることを目的としています。がんと診断された時からいつでも受けられる点も特徴であり、辛いと感じる時にはいつでも緩和ケアが受けられます。
また、支持療法とは、がんの症状や治療に伴う副作用や合併症、後遺症を軽くするための予防や治療、ケアのことを指します。
体内にある“免疫のリーダー”
NKT細胞を活性化して、
がん細胞を攻撃する
「NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)」を人工的に活性化し、免疫を高める治療法です。
NKT細胞は、敵(がん)の特徴を認識し、総攻撃することも、長期にわたって記憶することも可能。
ほかの免疫細胞が分業している仕事を、自身で行いつつ、ほかの免疫細胞に指示を出せるという、免疫のリーダー的役割を果たしています。
成分採血
提携医療機関に外来。受療適格性判断のための血液検査をおこなったのち、約1週間後に成分献血を実施します。
ベッドに横になった状態で、4~5時間かけて特定の成分だけを保存する方法で、日本赤十字での成分献血と同様の方法で行われます。
この採血した単核球(リンパ球、単球)の層を細胞培養施設に移送します。
培養
単核球層から単球(白血球の3~8%を占める白血球の成分の一種。感染に対する防衛の開始に重要な細胞のこと)を単離し、樹状細胞へ分化誘導します。
結合
分化誘導された樹状細胞は、未熟な状態です。
これを十分に成熟化させるために引き続き培養し、免疫活性化物質を添加してNKT細胞を活性化する細胞を作り上げます。
この技術は理研免疫再生医学の特許であり、RIKEN-NKT™において使用されています。
また、この免疫活性化物質は、GMP製造(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)され、理研免疫再生医学が独占的権利を持っています。
これらの技術は、理研免疫再生医学と提携しているクリニックに提供されています。
体内に戻す
成分採血から2週間後に、NKT細胞を活性化するための細胞(目的細胞)が医療機関に戻されます。医療機関にて、-80℃以下で凍結保存し、患者様が外来したときに、皮下注射または静脈への点滴により体内に目的細胞を戻します。日帰りでの治療になります。
理研発のメディカルサイエンス企業である、株式会社理研免疫再生医学では、NKT細胞標的治療に必要な薬剤や培養方法などを開発して、提携医療機関や共同研究機関等との協力により、保険外診療としてNKT細胞標的治療技術を普及することに努めています。
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