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ここでは、NKT細胞標的治療を受けた肺がん患者さんの症例を、全研本社がNKT細胞標的治療「RIKEN-NKT™」を研究・提供する理研免疫再生医学に取材のもと、掲載しています。
がん細胞への持続的な攻撃ができる免疫細胞療法「NKT細胞標的治療」は、ステージやがん種にかかわらず行えるがん治療で、もちろん「肺がん」にも適応します。
では実際に肺がん(扁平上皮がん)を患い、NKT細胞標的治療を受けた患者さんの症例を見てみましょう。
風邪から肺炎をこじらせ、市民病院に入院したBさん(71歳・男性)。S6(肺裏の下葉部分)の気管支が閉塞して横隔リンパ節が肥大していたため、気管支内視鏡で検査を実施したところ、多量の出血により再検査に。
そして二度目の検査で、右肺扁平上皮がんであることが分かりました。肺門からリンパ節への転移が確認され、「ステージⅢ」との診断が出されました。
ひとくちに肺炎と言っても種類があり、「扁平上皮がん」は、外界から体内を守るために気道~肺にかけて存在している上皮細胞ががん化したものです。肺がんのなかで2番目に多い種類のがんとされています。
また転移が見られた「横隔リンパ節」は、気道の後ろを通っていることから肺がんの転移が生じやすいと言われている所です。
Bさんは担当医から、「手術は難しいので放射線治療を行います。」と言われました。しかし、先の検査で大量出血が起こったことから病院に対して不信感を持っていたBさんは、色々と調べ、その結果、NKT細胞標的治療を受けたいと考えたのです。放射線治療はたしかに右肺扁平上皮がんに効果的であるものの、強い副作用が予想されるため、その副作用を軽減できるという点でもNKT細胞標的治療の併用は効果的と考えられました。
ところが、市民病院の担当医にこれを相談すると、「混合診療になるからできない。」との返答が返ってきました。しかし、これは間違っています。混合診療というのは保険診療と自由診療の両方を1つの病気・怪我等に対して行うことで、確かにこれはできないため、自由診療を受けるとこれまでの保険診療もすべて自己負担となります
が、あくまでこれは同じ医療機関のなかでの話であり、他の医療機関で同時に自由診療を受けても混合診療とはなりません。
しかし、市民病院の担当医にそう説明されてしまったBさんは、仕方なく、内緒でNKT細胞標的治療を併用することにしました。1回目の放射線治療後、計4回のNKT細胞標的治療を受けたのです。
すると、一度は放射線治療の後遺症により間質性肺炎を起こしたものの、それが治ると、市民病院の担当医が「こんなに放射線治療が効くケースは稀だ」と言うほどの結果が見られました。この結果を受けて、2回目の放射線治療も中止となりました。
こういった効果を可能にする、NKT細胞の力や働きについては、こちらにまとめています。
※この症例は、「がんと闘うNKT細胞標的治療」に掲載されています。当著では、その後の経過などについても、くわしく紹介されています。
理研免疫再生医学によるNKT細胞標的治療「RIKEN-NKT™」を提供している伊東くりにっくの伊東先生による著書。
Bさんの例のように、進行度の高いステージⅢの肺がんに対しても、NKT細胞標的治療は有効な治療を行えます。
また、肺がんにかぎらず、他のがんを診断された患者さんでも、同様に良い経過が見られているケースはいくつもあります。
当サイトでは、そういったケースの中から、「胃がん」、「乳がん」、「結腸がん」、「咽頭がん」でそれぞれNKT細胞標的治療を受けた患者さんの症例を紹介しています。
肺がんとは、肺の内部にある気管支や肺の主な組織である肺胞(はいほう)が、がん化してしまうことです。
治療をしなければ、がんは増殖を続け周囲の組織を破壊し続けます。
また、血液やリンパ液により、リンパ節や骨、脳、肝臓などに転移することもあります。
肺がんの主な種類(がんの組織型)は、発生頻度が多い順に腺がん、扁平(へんぺい)上皮がん、小細胞がん、大細胞がんとなっています。
特に腺がんは、半数以上を占めていて、「肺腺がん」と呼ばれることもあります。
2019年に肺がんと診断された人は、126,548例(男性84,325例、女性42,221例)となっています。
がんの罹患数では大腸がん、胃がんに次いで肺がんは第3位となっています。
また、人口あたりの罹患率は100.3 例(男性137.3 例、女性65.2 例)(人口10万対)です。
情報参照元:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/patients.html
肺がんは症状が出にくい場合もあり、ある程度進行してから症状が出ることもあります。
主な症状には、咳や痰、血痰(痰に血が混じる)、胸の痛み、動いたときの息苦しさや動悸、発熱などがあります。
しかし、これらの症状は、肺炎や気管支炎などほかの疾患の場合にも現れる症状です。肺がん特有の決まった症状というのはないといっても良いでしょう。
ただ、最も多い症状としては咳や痰で、これは肺がんが気管支や肺胞を刺激することで起こります。原因不明の咳や痰が2週間以上続く場合や、血痰が出る場合、発熱が5日以上続く場合には医療機関への受診を検討しましょう。
また、前述の通り、このような症状が現れないままがんが進行して、健康診断やほかの病気の検査により見つかることもあります。
情報参照元:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/about.html#:~:text=%EF%BC%91%EF%BC%8E%E7%99%BA%E7%94%9F%E8%A6%81%E5%9B%A0-,%EF%BC%93%EF%BC%8E%E7%97%87%E7%8A%B6,-%E6%97%A9%E6%9C%9F%E3%81%AB%E3%81%AF
肺がんにもほかのがんと同様に、進行の程度により病期(ステージ)がありますので、詳しく解説していきます。
情報参照元:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/treatment_sclc.html
肺がんの進行を「病期(ステージ)」といいます。一般的にローマ数字を使って表しています。肺がんでは、0期〜Ⅳ期に分けられ、進行するにつれて数字が大きくなっていきます。
ステージは、以下に解説する分類を組み合わせることによって判断します。病期を判断した後、実施する治療内容を検討することになります。
情報参照元:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/treatment_sclc.html
T分類とは、原発巣(最初にがんが発生した場所)のがんの大きさや広がりの程度のことを指しています。分類内容は以下のとおりです。
TX | 原発腫瘍の存在が判定できない,あるいは喀痰または気管支洗浄液細胞診でのみ陽性で画像診断や気管支鏡では観察できない |
---|---|
T0 | 原発腫瘍を認めない |
Tis | 上皮内癌(carcinoma in situ):肺野型の場合は,充実成分径0cmかつ病変全体径≦3 cm |
T1 | 腫瘍の充実成分径≦3cm,肺または臓側胸膜に覆われている,葉気管支より中枢への浸潤が気管支鏡上認められない(すなわち主気管支に及んでいない) |
T1mi | :微少浸潤性腺癌:部分充実型を示し,充実成分径≦0.5cmかつ病変全体径≦3 cm |
T1a | :充実成分径≦1cmでかつTis・T1miには相当しない |
T1b | :充実成分径>1cmでかつ≦2cm |
T1c | :充実成分径>2cmでかつ≦3cm |
T2 |
充実成分径>3cmでかつ≦5cm,または充実成分径≦3cmでも以下のいずれかであるもの 主気管支に及ぶが気管分岐部には及ばない 臓側胸膜に浸潤 肺門まで連続する部分的または一側全体の無気肺か閉塞性肺炎がある |
T2a | 充実成分径>3cmでかつ≦4cm |
T2b | 充実成分径>4cmでかつ≦5cm |
T3 |
充実成分径>5cmでかつ≦7cm,または充実成分径≦5cmでも以下のいずれかであるもの 壁側胸膜,胸壁(superior sulcus tumorを含む),横隔神経,心膜のいずれかに直接浸潤 同一葉内の不連続な副腫瘍結節 |
T4 | 充実成分径>7cm,または大きさを問わず横隔膜,縦隔,心臓,大血管,気管,反回神経,食道,椎体,気管分岐部への浸潤,あるいは同側の異なった肺葉内の副腫瘍結節 |
情報参照元:日本肺癌学会 https://www.haigan.gr.jp/guideline/2017/jo/17002017ha00.html
N分類とは、所属リンパ節への転移の有無、M分類とは、遠隔転移の有無を評価しています。分類内容は以下のとおりです。
N分類 所属リンパ節
NX | 所属リンパ節評価不能 |
---|---|
N0 | 所属リンパ節転移なし |
N1 | 同側の気管支周囲かつ/または同側肺門,肺内リンパ節への転移で原発腫瘍の直接浸潤を含める |
N2 | 同側縦隔かつ/または気管分岐下リンパ節への転移 |
N3 | 対側縦隔,対側肺門,同側あるいは対側の前斜角筋,鎖骨上窩リンパ節への転移 |
M分類 遠隔転移
M0 | 遠隔転移なし |
---|---|
M1 | 遠隔転移がある |
M1a | 対側肺内の副腫瘍結節,胸膜または心膜の結節,悪性胸水(同側・対側),悪性心囊水 |
M1b | 肺以外の一臓器への単発遠隔転移がある |
M1c | 肺以外の一臓器または多臓器への多発遠隔転移がある |
情報参照元:日本肺癌学会 https://www.haigan.gr.jp/guideline/2017/jo/17002017ha00.html
肺がんは大きく「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」に分けられます。これはがん細胞の組織型による分類で、治療方法も異なります。そして、小細胞肺がんでは、上記の分類に合わせてもう一つ病期分類があります。
限局型 | がんが片側の肺にとどまっている・がんの広がりが、がんである肺と反対側の縦隔(じゅうかく:左右の肺にはさまれた部分)および鎖骨の上あたりにあるリンパ節までに限られている・悪性胸水、悪性心嚢水(がんを原因として肺や心臓の周囲に水が貯まること)が見られないこと |
---|---|
進展型 | 限局型の範囲を超えてがんが進行している場合 |
情報参照元:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/treatment_sclc.html
前述したように肺がんは組織型により。大きく「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」に分けられます。治療方法が異なることもありますので、それぞれの治療方法を分けて解説していきます。
非小細胞肺がんは、さらに以下のように3つに組織分類されています。
非小細胞肺がんの治療では、病期や組織型、遺伝子の異常などに応じた治療を、患者さんの希望や年齢、生活環境も考慮して総合的に決定します。代表的な治療方法には、外科手術、放射線療法、薬物療法などがあります。
外科手術はでは、肺を切除する範囲によって、肺葉切除術、縮小手術、片側肺全摘手術に分けられます。
肺葉切除術は、肺の上部である肺葉を切除します。Ⅰ期の一部、Ⅱ期、Ⅲ期の一部の非小細胞肺がんに対する標準的な手術方法です。
縮小手術は、肺をできるかぎり温存するために肺葉のいち部分だけを切除します。
非小細胞肺がんのⅠA期で、がんの大きさが2㎝以下の場合の標準的な手術方法となっています。
片側肺全摘手術は、がんがある方の肺をすべて切除する手術です。がんが大きく広がっている場合に選択されます。
放射線治療は、がんのある部分に放射線を照射してがんの縮小や治癒を目指す治療方法です。
基本的には切除ができないⅢ期の非小細胞肺がんが対象です。
身体状態が良好な場合には、細胞障害性抗がん薬(細胞増殖の仕組みを利用してがんの増殖を抑える薬)を使用して放射線治療と同時に細胞障害性抗がん薬による薬物療法もおこないます。これを化学放射線療法といいます。
薬物療法は薬剤の投与により、がんの治癒や進行抑制を図る治療です。薬剤の種類には大きく分けて「細胞障害性抗がん薬」「分子標的薬」「免疫チェックポイント阻害薬」があり、組み合わせて使用する場合もあります。
また、非小細胞肺がんでは手術後に再発や転移予防のため、薬物療法をおこなうことがあります。
細胞障害性抗がん薬:細胞増殖の仕組みを阻害してがんを攻撃します。正常細胞にも影響を与えてしまいます。
分子標的薬:がん細胞に関連しているタンパク質や血管などを標的として攻撃します。正常細胞への影響は抑えられるといわれています。
免疫チェックポイント阻害薬:がん細胞による免疫を弱める作用に対して、それを阻害する作用を持ちます。
情報参照元:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/lung/treatment_nsclc.html#soshikigata
小細胞肺がんの細胞型は小細胞がんで、肺門・肺野ともに発生します。
特徴としては、喫煙との関連性が高い、増殖が速く転移しやすいということです。治療方法には、外科手術、放射線治療、薬物療法などがあります。小細胞肺がんの場合は、薬物療法が中心となります。
小細胞肺がんの場合、外科手術はⅠ期、ⅡA期が対象で、手術によってがんを取りきることができる場合に行います。手術のあとには、薬物療法を行います。
手術方法は、がんのある肺葉を切除する肺葉切除術が基本となります。
周囲にあるリンパ節切除も同時におこないます。非小細胞肺がんでご紹介した縮小手術、片側肺全摘手術がおこなわれることは稀です。
小細胞肺がんでは、限局型が放射線治療の対象となります。身体状態が良好な場合には非小細胞肺がんの治療と同様に化学放射線療法をおこないます。
小細胞肺がんで使用されるのは、非小細胞肺がんの治療と同様に「細胞障害性抗がん薬」「分子標的薬」「免疫チェックポイント阻害薬」となります。
限局型で手術によりがんが取り切れる場合は再発や転移を防ぐため、手術後に薬物療法をおこないます。
手術の帝王街の場合は化学放射線療法を選択します。進展型の場合は、主に細胞障害性抗がん薬で治療します。身体状態が良好な場合は免疫チェックポイント阻害薬と併用することもあります。
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体内にある“免疫のリーダー”
NKT細胞を活性化して、
がん細胞を攻撃する
「NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)」を人工的に活性化し、免疫を高める治療法です。
NKT細胞は、敵(がん)の特徴を認識し、総攻撃することも、長期にわたって記憶することも可能。
ほかの免疫細胞が分業している仕事を、自身で行いつつ、ほかの免疫細胞に指示を出せるという、免疫のリーダー的役割を果たしています。
成分採血
提携医療機関に外来。受療適格性判断のための血液検査をおこなったのち、約1週間後に成分献血を実施します。
ベッドに横になった状態で、4~5時間かけて特定の成分だけを保存する方法で、日本赤十字での成分献血と同様の方法で行われます。
この採血した単核球(リンパ球、単球)の層を細胞培養施設に移送します。
培養
単核球層から単球(白血球の3~8%を占める白血球の成分の一種。感染に対する防衛の開始に重要な細胞のこと)を単離し、樹状細胞へ分化誘導します。
結合
分化誘導された樹状細胞は、未熟な状態です。
これを十分に成熟化させるために引き続き培養し、免疫活性化物質を添加してNKT細胞を活性化する細胞を作り上げます。
この技術は理研免疫再生医学の特許であり、RIKEN-NKT™において使用されています。
また、この免疫活性化物質は、GMP製造(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)され、理研免疫再生医学が独占的権利を持っています。
これらの技術は、理研免疫再生医学と提携しているクリニックに提供されています。
体内に戻す
成分採血から2週間後に、NKT細胞を活性化するための細胞(目的細胞)が医療機関に戻されます。医療機関にて、-80℃以下で凍結保存し、患者様が外来したときに、皮下注射または静脈への点滴により体内に目的細胞を戻します。日帰りでの治療になります。
理研発のメディカルサイエンス企業である、株式会社理研免疫再生医学では、NKT細胞標的治療に必要な薬剤や培養方法などを開発して、提携医療機関や共同研究機関等との協力により、保険外診療としてNKT細胞標的治療技術を普及することに努めています。
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