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ここでは、「NKT細胞標的治療」の主役である「NKT細胞」がどのようなものなのかを解説。どんな働きによってがんに効果を発揮するのかも、分かりやすく紹介しています。
ヒトの免疫システムは、「自然免疫」「獲得免疫」という2種類の免疫で構成されており、これらの連携によってがん細胞に対抗しています。こうした免疫システムのなかで、非常に重要な役割を担っているのが「NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)」です。
NKT細胞は、自然免疫と獲得免疫の両性質を兼ね備えているうえに、敵の情報を記憶する機能も持っています。他の免疫細胞たちがそれぞれに果たしている働きを自身で全部こなし、さらに的確な指示まで出す、非常に優秀なリーダー的存在なのです。
ただし、NKT細胞は、そのままではがんに対してその威力を発揮しません。治療においては、人工的に活性化させて活用します。
NKT細胞は、以下に挙げる6つの働きによって、がん細胞に対抗します。
「樹状細胞」には、がん細胞への攻撃部隊を構成している免疫細胞に対し、がん抗原を提示してくれる働きがあります。この提示によりがん細胞を認識し、キラーT細胞を増やしてがんを攻撃させることができるです。
しかし、がんを患っている場合、がん細胞が作り出す免疫抑制細胞・物質の作用で、樹状細胞が成熟できなくなります。つまり抗原提示ができず、攻撃部隊が活動できなくなってしまうのです。
これに対抗するのが、NKT細胞が持つ働きのひとつ“樹状細胞の成熟化”です。がん細胞による樹状細胞への妨害を解除し、正常に抗原提示ができるようにします。
活性化したNKT細胞は、「IFN-ɤ(インターフェロン・ガンマ)」と呼ばれる物質などを放出し、NK細胞、キラーT細胞、マクロファージといったさまざまな免疫細胞を増殖・活性化させます。免疫システム全体を活気づけ、がん細胞を攻撃するための士気を高めるのです。
こうした免疫システムの活性化作用のことを、「アジュバント作用」と呼びます。「アジュバント」は、ラテン語で「助ける」という意味を持つ言葉です。
活性化したNKT細胞は、がん細胞を直接攻撃する役割も果たします。
通常、がん細胞を直接攻撃する免疫細胞として「NK細胞」「キラーT細胞」が働いていますが、免疫不全に陥っているがん患者の場合、どちらの細胞も機能していません。こうした状況のなかで、NK細胞とキラーT細胞の両性質を兼ね備えたNKT細胞が活躍するのです。
ちなみに、NK細胞は目印(がん抗原)のないがん細胞に、キラーT細胞は目印を出しているがん細胞に働く免疫細胞ですが、NKT細胞はどちらの性質も持っているため、がん抗原の有無に関係なく攻撃できます。
さらにNKT細胞は、がん細胞なら必ず持っている別の抗原を探し出せる能力もあり、NK細胞やキラーT細胞が見逃したがん細胞も攻撃することができるのです。
がん患者の体内は免疫が抑制された状態にあります。また免疫抑制細胞が異常に増えてしまっていることもあるほか、免疫の攻撃力にブレーキがかかっていることも。これら免疫抑制因子を取り除かないと、免疫システムが機能しないためがんを撃退できません。
そこで活躍するのが活性化NKT細胞。この細胞は、がん細胞が作り出す免疫抑制物質をキャッチする受容体がなく、動きを封じられないうえ、がん細胞が免疫細胞の攻撃から自らを守るために細工した免疫抑制細胞を殺傷する働きもあります。
こうした活性化NKT細胞の働きによりさまざまな免疫抑制が解除され、免疫機能が向上するのです。
がん細胞は、その増殖に必要となる栄養や酸素を得るために、がん組織に向けて新しい血管を造成します。この現象を「血管新生」と言い、これにより作られた血管を「新生血管」と言います。
がん細胞はこの新生血管を作るために、「血管新生因子」と呼ばれるたんぱく質を利用しており、なかでも重要な働きをするのが「血管内皮増殖因子(VEGF)」というサイトカイン(細胞から分泌されるタンパク質のこと)です。
活性化NKT細胞は、VEGFなどのサイトカインを放出できないように妨害することで、新生血管が作られるのを防ぎます。
活性化されたNKT細胞は、がん細胞に対する免疫記憶幹細胞を作ります。つまり、長期間にわたってがん細胞を攻撃できる免疫記憶が形成されるのです。
実際、肺がんの治療において、肺では9ケ月以上も免疫記憶が持続していることが分かっています。
体内にある“免疫のリーダー”
NKT細胞を活性化して、
がん細胞を攻撃する
「NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)」を人工的に活性化し、免疫を高める治療法です。
NKT細胞は、敵(がん)の特徴を認識し、総攻撃することも、長期にわたって記憶することも可能。
ほかの免疫細胞が分業している仕事を、自身で行いつつ、ほかの免疫細胞に指示を出せるという、免疫のリーダー的役割を果たしています。
成分採血
提携医療機関に外来。受療適格性判断のための血液検査をおこなったのち、約1週間後に成分献血を実施します。
ベッドに横になった状態で、4~5時間かけて特定の成分だけを保存する方法で、日本赤十字での成分献血と同様の方法で行われます。
この採血した単核球(リンパ球、単球)の層を細胞培養施設に移送します。
培養
単核球層から単球(白血球の3~8%を占める白血球の成分の一種。感染に対する防衛の開始に重要な細胞のこと)を単離し、樹状細胞へ分化誘導します。
結合
分化誘導された樹状細胞は、未熟な状態です。
これを十分に成熟化させるために引き続き培養し、免疫活性化物質を添加してNKT細胞を活性化する細胞を作り上げます。
この技術は理研免疫再生医学の特許であり、RIKEN-NKT™において使用されています。
また、この免疫活性化物質は、GMP製造(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)され、理研免疫再生医学が独占的権利を持っています。
これらの技術は、理研免疫再生医学と提携しているクリニックに提供されています。
体内に戻す
成分採血から2週間後に、NKT細胞を活性化するための細胞(目的細胞)が医療機関に戻されます。医療機関にて、-80℃以下で凍結保存し、患者様が外来したときに、皮下注射または静脈への点滴により体内に目的細胞を戻します。日帰りでの治療になります。
理研発のメディカルサイエンス企業である、株式会社理研免疫再生医学では、NKT細胞標的治療に必要な薬剤や培養方法などを開発して、提携医療機関や共同研究機関等との協力により、保険外診療としてNKT細胞標的治療技術を普及することに努めています。
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