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精巣がんは、精巣(睾丸)に発生するがんで、比較的若い男性に多くみられる疾患です。一般的に男性のがんの中では稀な部類に入りますが、20〜30代の男性に多く見られるがんで、若い世代では決してめずらしいものではありません。
この記事では、精巣がんの特徴や症状、病期(ステージ)、治療方法について詳しく解説します。
精巣がんは、男性の精巣(睾丸)にできるがんで、10万人に1〜2人程度と発症頻度は高くありません。ただし、20〜30代の男性に多く見られるがんで、若い世代では決してめずらしくないことが特徴です。
精巣がんの多くは、「胚細胞腫瘍(はいさいぼうしゅよう)」というタイプで、もともと精子のもとになる細胞ががん化して発生します。さらに詳しく分類すると、「セミノーマ」と「非セミノーマ」の2つに分けられ、それぞれ治療方法や進行の仕方が異なるため、治療方針を決めるうえでもこの分類はとても重要です。
精巣は、精子をつくったり、男性ホルモンを分泌したりする大切な臓器で、陰嚢(いんのう)と呼ばれる袋の中に左右1つずつ収まっています。この精巣にがんができると、無痛性のしこりや腫れなどの異変としてあらわれますが、初期の段階ではほとんど症状がなく、気づきにくいことがよくあります。
さらに、精巣がんは進行が早いことでも知られており、見つかったときにはすでに転移があるケースも少なくありません。一方で、抗がん剤が非常によく効くがんでもあり、進行していても根治(完治)が十分に期待できます。
精巣がんの発症率は、10万人あたり1人程度とされ、男性全体で見ると高くはありません。しかし、20代から30代の男性に限ってみると最も多いがんのひとつとされています。気になる症状があったり、精巣のしこりなどを感じたときには、「きっと大丈夫だろう」と自己判断せず、早めに泌尿器科を受診することが大切です。
精巣がんは、初期のうちはほとんど自覚症状がありません。多くの場合、「なんとなく精巣が腫れている」「触るとしこりがある」といった異変に気づいて受診し、診断につながることが多くなっています。しこりは痛みをともなわないことが多く、「無痛性の腫れ」と表現されることもあります。
また、下腹部に重たい感じがあったり、陰嚢に鈍い痛みを感じたりすることもありますが、これらの症状は目立ちにくく、「疲れかな?」と見過ごされがちです。そのため、自分で異常に気づいても、恥ずかしさや不安からすぐに相談できず、受診が遅れてしまうことも少なくありません。
精巣がんは進行が比較的早いがんで、体の他の部分に転移すると、その転移先に応じた症状が出てくるようになります。たとえば、お腹のリンパ節に転移すると腹痛や腰の痛みが出たり、肺に転移すれば咳や息苦しさを感じることも。また、ホルモンの影響で乳首が腫れたり、痛みを感じることもあります。
こうした症状は、ある程度がんが進んでから出てくることが多いため、早期発見には「自分で気づく」ことがとても大切です。入浴時などに陰嚢をやさしく触れてみて、いつもと違うかたさやしこりがないか、日頃から気にかけてみましょう。
がんがどのくらい進んでいるのかを表す「病期(ステージ)」は、治療の方針を決めるうえでとても重要な指標です。精巣がんの場合も、がんの広がり方や転移の有無によって、ステージI〜IIIに分けられています。精巣がんにはステージIVはありません。
さらに、精巣がんでは病理組織のタイプによって「セミノーマ」と「非セミノーマ」に分けられます。これにくわえて、腫瘍マーカー(血液検査でがんの活動性を示す物質)の値などをもとに、「予後良好」「中間」「不良」といったリスク分類も行われます。これらすべての情報を組み合わせて、治療方法が決定されていきます。
精巣がんと診断された場合、まず最初に行われるのが「高位精巣摘除術(こういせいそうてきじょじゅつ)」という手術です。これは、がんがある側の精巣を、付属する精巣上体や精索(せいさく)という血管の束ごと、まるごと切除するものです。
手術は、陰嚢からではなく足の付け根(鼠径部)を切開して行います。これは、がん細胞が体内に散ってしまうのを防ぐためでもあります。精索はお腹の中につながっているため、できるだけ上(腹腔に近い位置)で切除する必要があるのです。
この手術は、精巣がんの診断と治療の両方を兼ねている大切な工程です。切除した精巣を詳しく調べることで、「セミノーマ」なのか「非セミノーマ」なのかといったがんの種類や、がん細胞の広がり方、血管やリンパ管への浸潤の有無などがわかります。その結果をもとに、病期(ステージ)や再発のリスクが判断され、次に行う治療(化学療法や経過観察など)が決められます。
なお、この手術だけで治療が終わることもあります。とくに、がんが精巣の中にとどまっているステージIでは、手術後に定期的な検査を続けながら経過をみていく「経過観察」という選択もあります。
セミノーマのステージI、つまりがんが精巣の中にとどまり、転移が確認されていない場合には、手術(高位精巣摘除術)を終えたあと、追加の治療をせずに経過を観察するだけという選択がよくとられます。
この「経過観察」は、何もしないという意味ではなく、再発の兆しがないかを慎重に見守っていく治療の一つです。実際、手術だけで治療が完了し、再発することなく過ごせる方が多く、再発の可能性は約20%程度といわれています。
仮に再発が起きたとしても、その時点で抗がん剤治療を行えば、ほとんどの方が完治に至ることがわかっています。そのため、不必要な治療や副作用を避けるためにも、まずは経過観察という選択が主流になっています。
再発のリスクをさらに下げるために、予防的に抗がん剤(カルボプラチン)を1〜2回だけ投与する方法も選択肢の一つとしてありますが、副作用や将来的な影響も考慮して、最近ではあまり積極的に行われない傾向です。
セミノーマでステージII以上と診断された場合、つまりがんがリンパ節や他の臓器に転移している状態では、抗がん剤治療(化学療法)が治療の中心になります。セミノーマは、がんが抗がん剤によく反応するという特徴があり、治癒が期待できるケースが多いとされています。
一般的に行われるのは、「BEP療法」と呼ばれる抗がん剤の組み合わせ治療です。これは、ブレオマイシン・エトポシド・シスプラチンという3種類の抗がん剤を、3〜4週間ごとに1コースとして、通常3〜4コース行います。副作用の程度や予後によって、投与回数や薬の内容が調整されることもあります。
高齢の方や、もともと肺に病気がある方には、ブレオマイシンを使わずにEP療法(エトポシド+シスプラチン)を4コース行うケースもあります。
セミノーマのステージII以上の治療は、治療回数が多くなったり、副作用とのつきあいも出てきたりしますが、しっかりと治療すれば根治を目指せる病気です。途中でつらくなったときは、治療チームと相談しながら無理のない進め方をしていくことが大切です。
非セミノーマでステージI、つまりがんが精巣内にとどまっていて、他の部位に転移していない場合でも、治療方針は一人ひとり異なります。これは、がんの性質がセミノーマよりもやや進行しやすいとされているためです。特に重要なのが、手術で取り出した精巣の組織を詳しく調べたときに、血管やリンパ管へがん細胞が入り込んでいる(=脈管侵襲がある)かどうかという点です。
脈管侵襲が「ない」場合は、再発のリスクが比較的低いと考えられるため、経過観察だけで済むケースも少なくありません。つまり、抗がん剤治療などは行わずに、腫瘍マーカーや画像検査などで定期的に状態をチェックしていく方法です。ただし、まれに再発することもあるため、しっかりとしたフォロー体制のもとで経過を見ていくことが大切です。
脈管侵襲が「ある」場合は、再発の可能性が高くなるとされており、次のような選択肢があります。
どの選択が適しているかは、再発リスクの高さ、患者さんの体調、将来への希望、治療への考え方などをふまえて決めていきます。抗がん剤治療を選ぶことで再発の可能性を大きく下げられる一方、副作用への対策や、将来的な影響についてもしっかり考えておく必要があります。
非セミノーマでステージII以上、つまりリンパ節や肺、肝臓などに転移がある場合には、抗がん剤治療(化学療法)が治療の中心となります。このタイプの精巣がんは進行が早い一方で、抗がん剤がよく効くことも知られており、しっかり治療を受けることで完治が期待できるがんでもあります。
一般的な治療の流れは、高位精巣摘除術(手術)でがんのある側の精巣を取り除いたあと、BEP療法という抗がん剤の組み合わせを3〜4コース行います。
BEP療法は、ブレオマイシン・エトポシド・シスプラチンの3種類の薬を組み合わせた治療で、3〜4週間を1コースとして繰り返します。副作用の強さや患者さんの体力に応じて、EP療法(ブレオマイシンなし)やVIP療法(イホスファミドを加えた治療)などに切り替えられることもあります。
化学療法が終了したあとでも、画像上でがんのかたまり(残存腫瘍)が一定の大きさ以上残っている場合には、「後腹膜リンパ節郭清術」という手術を行って、残った部分を切除することがあります。
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体内にある“免疫のリーダー”
NKT細胞を活性化して、
がん細胞を攻撃する
「NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)」を人工的に活性化し、免疫を高める治療法です。
NKT細胞は、敵(がん)の特徴を認識し、総攻撃することも、長期にわたって記憶することも可能。
ほかの免疫細胞が分業している仕事を、自身で行いつつ、ほかの免疫細胞に指示を出せるという、免疫のリーダー的役割を果たしています。
成分採血
提携医療機関に外来。受療適格性判断のための血液検査をおこなったのち、約1週間後に成分献血を実施します。
ベッドに横になった状態で、4~5時間かけて特定の成分だけを保存する方法で、日本赤十字での成分献血と同様の方法で行われます。
この採血した単核球(リンパ球、単球)の層を細胞培養施設に移送します。
培養
単核球層から単球(白血球の3~8%を占める白血球の成分の一種。感染に対する防衛の開始に重要な細胞のこと)を単離し、樹状細胞へ分化誘導します。
結合
分化誘導された樹状細胞は、未熟な状態です。
これを十分に成熟化させるために引き続き培養し、免疫活性化物質を添加してNKT細胞を活性化する細胞を作り上げます。
この技術は理研免疫再生医学の特許であり、RIKEN-NKT™において使用されています。
また、この免疫活性化物質は、GMP製造(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)され、理研免疫再生医学が独占的権利を持っています。
これらの技術は、理研免疫再生医学と提携しているクリニックに提供されています。
体内に戻す
成分採血から2週間後に、NKT細胞を活性化するための細胞(目的細胞)が医療機関に戻されます。医療機関にて、-80℃以下で凍結保存し、患者様が外来したときに、皮下注射または静脈への点滴により体内に目的細胞を戻します。日帰りでの治療になります。

理研発のメディカルサイエンス企業である、株式会社理研免疫再生医学では、NKT細胞標的治療に必要な薬剤や培養方法などを開発して、提携医療機関や共同研究機関等との協力により、保険外診療としてNKT細胞標的治療技術を普及することに努めています。
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