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子宮頸がんは、子宮の入り口にあたる「子宮頸部」に発生するがんです。女性特有のがんの中でも、比較的若い年代から発症する可能性があり、女性にとって注意が必要な病気の一つです。早期に発見できれば治療がしやすく、予後も良好なケースが多いため、定期的な検診を受けることが大切です。
この記事では、子宮頸がんの特徴や症状、治療法について、わかりやすく丁寧に解説します。
子宮頸がんは、子宮の入り口にあたる「子宮頸部」に発生するがんです。子宮頸がんの原因の多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染だとされています。HPVはとても身近な存在で、多くの人が一度は感染すると言われていますが、ほとんどの場合は免疫の働きで自然に排除されます。
しかし、感染が続くと細胞に異常が生じ、がんへと進行することがあります。進行した子宮頸がんは、子宮頸部から周囲の組織や骨盤内に広がる場合があり、さらに肺や肝臓などの遠くの臓器に転移するケースもあります。
現在では治療法も進歩しており、治療によって症状を和らげたり、がんをコントロールしたりすることができるケースも多くあります。主な治療法には手術、放射線治療、薬物療法があり、一人ひとりの状態に合わせた治療が行われます。
全国がん登録罹患データによると、2020年に子宮頸がんと診断された患者数は10,353例でした。年齢層別にみると、20代後半から急激に罹患率が高くなり、40代で最も多くなります。若い世代でも発症するがんのため、定期的な検診がとても大切です。
情報参照元:がん情報サービス(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/17_cervix_uteri.html)
子宮頸がんは初期段階ではほとんど自覚症状が現れないことが多いです。そのため、気づかないまま進行してしまう場合もあります。
がんが進むにつれて、さまざまな体の変化が見られるようになります。もっともよく見られる症状の一つが不正出血です。これは月経時以外に起こる出血のことで、特に性交後に出血することがあります。また、おりものの変化も特徴的で、量が増えたり、濃い茶色や膿のような匂いを伴うものになることがあります。
進行がさらに進むと、多量の出血が起きたり、尿や便に血が混じることがあります。がんがリンパや周囲の組織に広がると、腰や足にむくみや痛みが生じる場合もあります。これらの症状がある場合、必ずしも子宮頸がんとは限りませんが、早めに婦人科で診察を受けることが大切です。
情報参照元:がん情報サービス(https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/about.html)
子宮頸がんの進行度は、「病期(ステージ)」という分類で示されます。この分類はがんがどのくらい広がっているか、周囲の組織や臓器への影響、遠隔臓器への転移があるかどうかに基づいて決定されます。子宮頸がんはⅠ期からⅣ期までの4段階に分けられ、それぞれの段階で治療方針が異なります。
ステージⅠは、がんが子宮頸部内にとどまっている状態です。この段階で治療を受けることで、高い確率で治癒が期待できます。ステージⅡになると、がんが子宮頸部を越えて広がっていますが、まだ腟の下部には達していない状態です。治療を適切に行えば、予後は比較的良好とされています。
ステージⅢでは、がんが腟の下部や骨盤内の組織に広がり、場合によっては尿管を圧迫することがあります。その結果、腎機能に影響が出ることもあります。
ステージⅣになると、がんが膀胱や直腸の粘膜、さらには肺や肝臓といった遠隔臓器に転移している状態です。この段階では、症状を和らげながら生活の質を高めることを目的とした治療が中心になることもあります。
情報参照元:おしえて 子宮頸がんのコト【中外製薬】(https://oshiete-gan.jp/gynecologic/cervical_cancer/qa/)
子宮頸がんの治療は、がんの進行度(病期)や患者さんの体調、希望に応じて選択されます。治療には「手術(外科治療)」「放射線治療」「薬物療法」の3つがあり、それぞれを組み合わせることもあります。
それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。
子宮頸がんの治療で多く行われるのが手術です。がんを取り除くだけでなく、取り除いた組織を詳しく調べることで、治療後の方針を決めるための重要な情報を得ることができます。手術の方法は、がんの広がりや患者さんの状態に応じて選ばれます。
円錐切除術は、子宮頸部の一部を円錐状に切り取る手術で、前がん病変や初期のがんに適用されます。この手術では子宮を温存できるため、妊娠や出産の可能性を残すことができるのが特徴です。
ただし、子宮頸部が短くなることで早産のリスクが高まることがあります。また、切除した部分にがんが残っていないかを病理検査で確認し、必要であれば追加の治療が行われます。
単純子宮全摘出術は、子宮全体を切除する手術です。がんが子宮頸部にとどまっている初期段階で選ばれることが多く、腟式、腹腔鏡、開腹手術などの方法で行われます。妊娠はできなくなりますが、がんを取り除くことで再発リスクを低く抑える治療法です。
準広汎子宮全摘出術は、子宮とその周辺の一部の組織を切除する手術です。がんが子宮頸部から少し広がっている場合や再発リスクがある場合に行われます。
膀胱や尿管を保護するための神経が温存できることが多く、広汎子宮全摘出術と比べると、術後の排尿トラブルが軽減されやすいのが特徴です。
広汎子宮全摘出術は、子宮とその周辺の広い範囲の組織を切除する手術です。骨盤内のリンパ節も同時に取り除きます。進行がんに対して行われることが多く、がんを完全に取り切るための効果的な方法です。
ただし、治療効果が高い一方で、リンパ浮腫や排尿機能の低下といった合併症が起こることもあるため、慎重なケアが必要です。
広汎子宮頸部摘出術は、子宮体部や卵巣を残しながらがんを治療する手術です。がんが発生している子宮頸部とその周囲の組織を切除しますが、子宮の本体は温存されるため、将来的に妊娠の可能性を残すことができます。
適用されるのは、ⅠA2期やⅠB1期のがんで、転移がない場合に限られます。また、子宮を温存するため、術後は再発のリスクを注意深く観察することが必要です。治療の進め方や妊娠についての希望は、医師としっかり話し合いながら決めることが大切です。
放射線治療は、子宮頸がんの治療法として手術と並ぶ選択肢の一つです。高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を攻撃し、がんを小さくしたり、症状を和らげたりします。
主に手術が難しい場合や、術後の再発予防として行われることが多いです。また、進行がんの場合は化学療法と組み合わせることで、より効果的な治療が期待できます。
治療方法には、体の外から放射線を当てる「外部照射」と、腟内に放射線を直接照射する「腔内照射」があります。これらを組み合わせることで治療効果を高めます。ただし、膀胱や腸に影響が出ることがあり、副作用への対応も重要です。
薬物療法では、抗がん剤を使ってがん細胞を攻撃します。進行がんや再発がんに対して行われることが多く、放射線治療と同時に実施される場合もあります。最近では、抗がん剤に加えて、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など、新しい治療法も登場しています。これらは、がんの増殖を抑えたり、患者さん自身の免疫力を高めてがんを攻撃する方法です。
薬物療法には、副作用が伴う場合があります。たとえば、吐き気や脱毛、体力の低下などが挙げられますが、これらを軽減するための対策も進んでいます。不安や疑問がある場合は、医師や看護師に相談しながら治療を進めることが大切です。
免疫療法は、患者さん自身の免疫力を活性化させてがんを攻撃する治療法です。この治療法では、がん細胞が免疫から逃れる仕組みを阻害したり、免疫細胞の働きを強化したりすることで、がんの進行を抑えます。免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる薬剤が代表的で、子宮頸がんを含むいくつかのがん種に対して使用されています。
免疫療法は、特に手術や薬物療法が難しい場合や、進行したがんに対する治療の選択肢として注目されています。
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体内にある“免疫のリーダー”
NKT細胞を活性化して、
がん細胞を攻撃する
「NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)」を人工的に活性化し、免疫を高める治療法です。
NKT細胞は、敵(がん)の特徴を認識し、総攻撃することも、長期にわたって記憶することも可能。
ほかの免疫細胞が分業している仕事を、自身で行いつつ、ほかの免疫細胞に指示を出せるという、免疫のリーダー的役割を果たしています。
成分採血
提携医療機関に外来。受療適格性判断のための血液検査をおこなったのち、約1週間後に成分献血を実施します。
ベッドに横になった状態で、4~5時間かけて特定の成分だけを保存する方法で、日本赤十字での成分献血と同様の方法で行われます。
この採血した単核球(リンパ球、単球)の層を細胞培養施設に移送します。
培養
単核球層から単球(白血球の3~8%を占める白血球の成分の一種。感染に対する防衛の開始に重要な細胞のこと)を単離し、樹状細胞へ分化誘導します。
結合
分化誘導された樹状細胞は、未熟な状態です。
これを十分に成熟化させるために引き続き培養し、免疫活性化物質を添加してNKT細胞を活性化する細胞を作り上げます。
この技術は理研免疫再生医学の特許であり、RIKEN-NKT™において使用されています。
また、この免疫活性化物質は、GMP製造(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)され、理研免疫再生医学が独占的権利を持っています。
これらの技術は、理研免疫再生医学と提携しているクリニックに提供されています。
体内に戻す
成分採血から2週間後に、NKT細胞を活性化するための細胞(目的細胞)が医療機関に戻されます。医療機関にて、-80℃以下で凍結保存し、患者様が外来したときに、皮下注射または静脈への点滴により体内に目的細胞を戻します。日帰りでの治療になります。

理研発のメディカルサイエンス企業である、株式会社理研免疫再生医学では、NKT細胞標的治療に必要な薬剤や培養方法などを開発して、提携医療機関や共同研究機関等との協力により、保険外診療としてNKT細胞標的治療技術を普及することに努めています。
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