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抗がん剤は、活発に増殖するがん細胞を攻撃することで、がんの進行を抑える薬です。ただし攻撃対象になるのはがん細胞だけではありません。私たちの体には、もともと活発に増殖している正常な細胞もあり、抗がん剤はこうした細胞まで攻撃してしまいます。
正常な細胞がダメージを受けると、さまざまな副作用が起こります。例えば、髪の毛を作る毛根細胞が攻撃されると、髪の毛や体毛、まつ毛などが抜けることがあります。また、血液を作る骨髄の働きが抑えられると、白血球や赤血球が減り、感染症にかかりやすくなったり、貧血を起こしたりします。
こうした副作用の症状によって、日常生活に支障が出ることも少なくありません。ただし、薬の量を調整したり、症状を和らげる薬を使ったりすることで、影響を抑えられるケースもあります。つらい症状があるときは我慢せず、担当医や薬剤師に相談しましょう。
吐き気や嘔吐は、抗がん剤治療の副作用としてよく知られる症状です。抗がん剤が脳の嘔吐中枢を刺激することで起こると考えられています。
症状が出るタイミングには個人差があり、治療開始から数時間で現れることもあれば、翌日以降に出ることもあります。多くの場合、3〜4日ほどで改善します。
吐き気や嘔吐がつらいときは、食事量を調整したり、体を締め付けない服を選んだり、室内の温度やにおいを調整したりすると、症状が和らぐことがあります。また、医療機関で処方された吐き気止めを使うことで改善するケースも多いです。つらい症状が続く場合は、我慢せず担当医や薬剤師に相談しましょう。
抗がん剤治療を始めて2〜3週間ほど経つと、脱毛が起こることがあります。これは、毛を作るもとになる細胞が抗がん剤に攻撃されるためで、髪の毛だけでなく、まつげやまゆげ、体毛も抜けることがあります。
抗がん剤による脱毛は一時的なもので、治療終了後数か月で再び生え始め、約2年で元の状態に戻るといわれています。
確立された予防法はありませんが、頭皮を清潔に保ち、負担をかけないようにすることが大切です。洗髪時は刺激の少ないシャンプーを使い、頭皮を傷つけないよう爪は短く切っておきましょう。ドライヤーは低温設定にし、パーマやカラーリング、育毛剤の使用は避けてください。
見た目の変化による喪失感が気になる場合は、帽子やバンダナ、医療用ウィッグなどを活用するのも一つの方法です。
抗がん剤治療を受けている患者さんの多くが、倦怠感やだるさを経験します。これは、貧血や体力の消耗、ストレス、疲労、睡眠不足など、さまざまな要因が重なって起こると考えられています。
倦怠感やだるさは、抗がん剤投与後2〜3日で最も強く出ることが多く、その後は徐々に改善していくケースが一般的です。ただし、治療を重ねるにつれて症状が強くなる方も少なくありません。
倦怠感やだるさを感じたら、休息をしっかりとる、栄養や水分を補給する、無理のない範囲で体を動かす、といった工夫を取り入れてみましょう。
抗がん剤治療中は、末梢神経がダメージを受けて手足にしびれや痛みが出ることがあります。物を落としやすくなる、文字が書きづらくなるといった症状が出る方もいます。
末梢神経障害が起こる仕組みははっきりとは分かっておらず、確立された予防法や対処法はありません。ただし、いくつかの工夫で症状を抑えられる場合があります。冷たいものに触れると症状が出やすいため、手袋を使って直接触れないようにしましょう。冬場は足先を冷やさないよう、家の中でも靴下をはくのがおすすめです。また、指先を動かしたりマッサージをしたり、ぬるめのお湯に浸かったりして血流を良くすることも、症状の緩和につながります。
抗がん剤の副作用が出るタイミングや続く期間には個人差があり、一概にいつからいつまでとは言えません。ただし、一般的な傾向はあります。
多くの副作用は、治療を始めてから数日以内に現れます。例えば、吐き気や嘔吐は抗がん剤の使用から数時間で起こることもあります。一方、脱毛や味覚障害などは、治療開始から数週間かけて徐々に出てくるケースが多いです。
治療が終わった後も副作用が続くことがあり、数週間から数か月で治まるものもあれば、末梢神経障害のように長期間残るものもあります。
副作用の症状や期間には個人差がありますが、緩和する薬や方法もあります。つらいときは我慢せず、担当医や看護師に相談しましょう。
抗がん剤は使用回数を重ねるほど、体への蓄積により副作用が強く出やすくなるといわれています。例えば、手足のしびれや痛みが出る末梢神経障害は、治療を終えても症状が改善しないことがあります。また、抗がん剤治療は体力を消耗するため、疲労が蓄積して倦怠感が強くなることもあります。
治療を重ねるうちに、体だけでなく心がつらくなる患者さんも少なくありません。体のつらさから気持ちが落ち込む、治療日が近づくと気が重くなる、自分だけが病気と闘っているようで孤独を感じるといった状態が続く場合は、我慢せず担当医や看護師に相談しましょう。必要であれば、精神科医や心理士に相談することもできます。
抗がん剤治療中は、事前に知っておきたい注意点がいくつかあります。具体的には、生の食品の摂取、人ごみへの外出、不衛生な環境での生活、過度な疲労、激しい運動、飲酒、喫煙などです。
抗がん剤治療中は免疫力が下がっているため、生魚や生卵を食べると食中毒のリスクが高くなります。さらに、体調を崩した場合に重症化しやすくなるため、生ものは控えましょう。また、人が多く集まる場所へ外出すると、感染症をもらいやすくなります。人ごみへの外出も避けたほうが安心です。
治療中はいつもより疲れやすいため、仕事や家事による過度な疲労は避け、無理のない生活を心がけることが大切です。運動については、軽いストレッチや散歩は気分転換になるため問題ありません。ただし、ケガのリスクがある激しい運動は避けましょう。ケガをすると血が止まりにくく、傷口から感染するおそれがあるためです。
飲酒や喫煙は、抗がん剤の効果を弱めたり、副作用を強めたりすることがあるため、治療中は控えましょう。
抗がん剤治療中は、副作用でさまざまな症状が出ますが、なかには命に関わるものもあるため注意が必要です。次のような症状が出た場合は、すぐに病院へ連絡しましょう。
上記のような症状に気づいたら、我慢せず早めに医師に相談してください。
抗がん剤の副作用が出るタイミングや続く期間には個人差がありますが、症状を和らげる薬や対処法もあります。つらいときは1人で抱え込まず、担当医や看護師に相談しましょう。
もし、抗がん剤治療後に嘔吐や下痢のために水分がとれない、強い痛みがある、などの症状が出た場合にはすぐに病院に連絡することが大切です。治療中は生の食品の摂取や人ごみへの外出、激しい運動などを避けることも、体調を守るポイントになります。
医師、医学博士、総合内科専門医。都内の大学病院勤務を経て、現在はアメリカで研究中。医療関連の記事の執筆や監修、医療系動画監修、医療系コンテンツ制作など幅広く手がけている。研究の傍ら、医学の知識や医師の経験を活かし、患者や患者家族のためになるコンテンツ作成を目指している。
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体内にある“免疫のリーダー”
NKT細胞を活性化して、
がん細胞を攻撃する
「NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)」を人工的に活性化し、免疫を高める治療法です。
NKT細胞は、敵(がん)の特徴を認識し、総攻撃することも、長期にわたって記憶することも可能。
ほかの免疫細胞が分業している仕事を、自身で行いつつ、ほかの免疫細胞に指示を出せるという、免疫のリーダー的役割を果たしています。
成分採血
提携医療機関に外来。受療適格性判断のための血液検査をおこなったのち、約1週間後に成分献血を実施します。
ベッドに横になった状態で、4~5時間かけて特定の成分だけを保存する方法で、日本赤十字での成分献血と同様の方法で行われます。
この採血した単核球(リンパ球、単球)の層を細胞培養施設に移送します。
培養
単核球層から単球(白血球の3~8%を占める白血球の成分の一種。感染に対する防衛の開始に重要な細胞のこと)を単離し、樹状細胞へ分化誘導します。
結合
分化誘導された樹状細胞は、未熟な状態です。
これを十分に成熟化させるために引き続き培養し、免疫活性化物質を添加してNKT細胞を活性化する細胞を作り上げます。
この技術は理研免疫再生医学の特許であり、RIKEN-NKT™において使用されています。
また、この免疫活性化物質は、GMP製造(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)され、理研免疫再生医学が独占的権利を持っています。
これらの技術は、理研免疫再生医学と提携しているクリニックに提供されています。
体内に戻す
成分採血から2週間後に、NKT細胞を活性化するための細胞(目的細胞)が医療機関に戻されます。医療機関にて、-80℃以下で凍結保存し、患者様が外来したときに、皮下注射または静脈への点滴により体内に目的細胞を戻します。日帰りでの治療になります。

理研発のメディカルサイエンス企業である、株式会社理研免疫再生医学では、NKT細胞標的治療に必要な薬剤や培養方法などを開発して、提携医療機関や共同研究機関等との協力により、保険外診療としてNKT細胞標的治療技術を普及することに努めています。