sponsored by 株式会社理研免疫再生医学
CLOSE
このサイトは 「株式会社理研免疫再生医学」をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
こちらの記事では、腎臓がん(腎細胞がん)について解説しています。症状や治療法などについて詳しくまとめています。
腎臓とは、そら豆のような形をした臓器です。肋骨の下端あたりの腹部に左右1つずつあり、血液をろ過して尿を作る働きを持っています。また、血圧コントロールや造血に関するホルモンの生成やビタミンDの活性化などの役割もあります。
腎臓がんは、上記のような特徴を持つ腎臓の細胞ががん化したものです。腎がんとも呼ばれ、腎実質の細胞ががん化して悪性化したものは腎細胞がんと呼びます。腎臓がんのほとんどが腎細胞がんであることから、一般的に「腎臓がん」は腎細胞がんのことを指します。腎盂にある細胞ががん化したものは腎盂がんと呼ばれ、腎細胞がんとは区別されています。
腎臓がんはさまざまな部位・臓器へ転移する可能性が考えられますが、特に肺に転移しやすいとされています。そのほか、骨や肝臓、副腎、脳などに転移するケースもあります。病気(ステージ)はⅠ期〜Ⅳ期に分けられており、進行するにつれて数字が大きくなります。また、ステージは下記のTNMの3種類の組み合わせによって決まります。
進展度(TNM分類)は下記の通りとなっています。
T1a | 腎細胞がんの直径が4cm以下で腎臓にとどまっている |
---|---|
T1b | 腎細胞がんの直径が4cmを超えるが7cm以下で腎臓にとどまっている |
T2a | 腎細胞がんの直径が7cmを超えるが10cm以下で腎臓にとどまっている |
T2b | 腎細胞がんの直径が10cmを超えるが腎臓にとどまっている |
T3a | 腎細胞がんが腎静脈やその区域静脈に広がっている、または腎盂腎杯に及んでいる 腎周囲や腎盂周囲の脂肪組織に及ぶが、ゲロタ筋膜を越えていない ※ゲロタ筋膜:腎臓を覆っている一番外側の膜 |
T3b | 腎細胞がんが横隔膜より下の下大静脈内に広がっている |
T3c | 腎細胞がんが横隔膜より上の下大静脈にひろがっている または大静脈壁に及んでいる |
T4 | 腎細胞がんがゲロタ筋膜を越えた部分まで及んでいる (同じ側の副腎まで連続して広がっている場合を含む) |
N0 | 領域リンパ節への転移なし |
N1 | 領域リンパ節に転移あり |
M0 | 遠隔転移なし |
M1 | 遠隔転移あり |
また、腎臓がんの病期分類は下記の通りとなっています。
別の臓器やリンパ節に 転移なし |
別の臓器に転移はないが 領域リンパ節に転移あり |
別の臓器に転移あり | |
---|---|---|---|
N0 | N1 | Nに関係なく | |
M0 | M0 | M1 | |
T1 | Ⅰ | Ⅲ | Ⅳ |
T2 | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
T3 | Ⅲ | Ⅲ | Ⅳ |
T4 | Ⅳ | Ⅳ | Ⅳ |
2019年の統計データを参照すると、腎臓がん(腎盂がんは除く)と診断されたのは21,347例(人)となっています。
初期段階ではほとんど自覚症状がないため、初期の状態で発見されるケースについては、健康診断や他の病気が疑われた場合に行った検査で偶然発見されることがほとんどです。また、腎臓ではなく他の臓器に転移したがんが先に見つかり、検査の結果腎細胞がんが見つかるケースも少なくありません。
がんが大きくなると、血尿や背中・腰の痛み、腹部のしこり、足のむくみ、食欲不振、吐き気・便秘などの症状が見られることがあります。さらに、他の部位や臓器に転移した場合、例えば肺に転移すると胸の痛みや咳などのように、それぞれの症状が現れ、全身にがんが広がると発熱や倦怠感、体重減少などの症状があらわれてきます。
治療にあたっては、ステージ(病期)や組織型、リスク分類に応じた標準治療が基本となりますが、そこに本人の希望・生活環境・年齢を含めた体の状態などを含め、総合的に検討していきます。実際の治療方針は担当医と話し合いながら決めていきますが、場合によっては複数の治療方法を提案されることもあるでしょう。もし、治療の選択においてわからない内容があれば、まずは担当医に確認してください。その他にも、がん相談支援センターでも相談できます。
また、がんの治療が妊娠・出産に影響するケースがありますので、今後子どもを持つことを希望する場合には治療を始める前に担当医に相談することが大切です。
がんが小さい場合は、凍結療法が選択されるケースもありますが、Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期では、標準治療は手術(外科治療)となっています。手術は、がんやがんのある臓器を切除する治療方法です。がんのある側の腎臓を全て取り除く「腎摘除術」が標準的な術式とされていますが、近年では画像診断技術の向上などもあり、がんが小さい状態で見つかることも増えています。そのため、可能であればがんが生じている部位を部分的に切除する「腎部分切除術」が選択されることもあります。
術式としては、お腹を切開する「開腹手術」のほか、お腹に小さな穴を開け、そこから腹腔鏡を入れて手術を行う「腹腔鏡手術」の2つの種類があります。また、腹腔鏡手術を実施する場合には、手術用ロボットを遠隔操作する「ロボット支援手術」について検討するケースもあります。どの術式が用いられるかは、がんや体の状態を考慮して決定されます。
がんが小さい状態で発見された場合には、凍結療法と呼ばれる方法を用いることがあります。これは、特殊な針をがんに直接刺してアルゴンガスで組織を凍らせ、がん細胞を死滅させる治療法です。通常、凍結療法を行う際には超音波検査やCT検査、MRI検査を用いて確認を行いながら進めます。凍結療法は、高齢者や重篤な合併症を持っている場合、手術を希望しない場合に選択されることがあります。
手術によりがんの切除が難しい場合には、薬物療法が選択されます。また、手術を行う前に治療効果を高める目的で薬物療法を行うこともあります。腎臓がんの薬物療法では、分子標的薬と免疫チェックポイント阻害薬が用いられます。
分子標的薬は、がんの増殖に関係するたんぱく質や栄養を運ぶ血管や、がんを攻撃する免疫に関係するたんぱく質を標的としてがんを攻撃するという特徴を持っています。また、免疫チェックポイント阻害薬は、免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ薬です。
分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が使用できないケースでは、サイトカイン療法が行われることもあります。サイトカイン療法は、免疫が作るたんぱく質の一種であるサイトカインを利用したものです。
免疫療法とは、免疫の力を利用してがんを攻撃する治療法です。免疫療法の中で腎細胞がんに効果があるとされているのは、免疫チェックポイント阻害薬を使用した治療法とサイトカイン療法のみとなっています(2023年6月時点の情報です)。
患部に放射線を当て、がん細胞を死滅させる治療法です。腎臓にできたがんそのものに対し、根治的な治療を目的として放射線治療が選択されることはあまりありませんが、脳・骨に転移があるケースについて、進行を抑える・痛みを和らげるなどの目的で行われるケースがあります。
手術などは行わず、CT検査やMRI検査、超音波検査などの画像検査を定期的に行い、経過を観察していく方法を監視療法と呼んでいます。早期がんの場合に選択されることがありますが、特に高齢のケースや他の病気に罹患していることから手術に危険が伴うケースでは、選択肢のひとつとなります。
がんが見つかった場合には、体や治療のことでつらい思いをするケースがある点に加えて、仕事のこと、将来の不安など、さまざまなつらさを経験する人が多いとされています。緩和ケア・支持療法は、このようなつらさを和らげたり、がんの症状や治療に伴う副作用や合併症、後遺症を軽くしたりする目的で行われます。
緩和ケアと聞くと終末期に行われるイメージを持つ方も多くいます。しかし、終末期だけの治療法ではなく、がんと診断された時から始まるものであることから、つらさを感じる場合にはいつでも受けられます。
体内にある“免疫のリーダー”
NKT細胞を活性化して、
がん細胞を攻撃する
「NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)」を人工的に活性化し、免疫を高める治療法です。
NKT細胞は、敵(がん)の特徴を認識し、総攻撃することも、長期にわたって記憶することも可能。
ほかの免疫細胞が分業している仕事を、自身で行いつつ、ほかの免疫細胞に指示を出せるという、免疫のリーダー的役割を果たしています。
成分採血
提携医療機関に外来。受療適格性判断のための血液検査をおこなったのち、約1週間後に成分献血を実施します。
ベッドに横になった状態で、4~5時間かけて特定の成分だけを保存する方法で、日本赤十字での成分献血と同様の方法で行われます。
この採血した単核球(リンパ球、単球)の層を細胞培養施設に移送します。
培養
単核球層から単球(白血球の3~8%を占める白血球の成分の一種。感染に対する防衛の開始に重要な細胞のこと)を単離し、樹状細胞へ分化誘導します。
結合
分化誘導された樹状細胞は、未熟な状態です。
これを十分に成熟化させるために引き続き培養し、免疫活性化物質を添加してNKT細胞を活性化する細胞を作り上げます。
この技術は理研免疫再生医学の特許であり、RIKEN-NKT™において使用されています。
また、この免疫活性化物質は、GMP製造(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)され、理研免疫再生医学が独占的権利を持っています。
これらの技術は、理研免疫再生医学と提携しているクリニックに提供されています。
体内に戻す
成分採血から2週間後に、NKT細胞を活性化するための細胞(目的細胞)が医療機関に戻されます。医療機関にて、-80℃以下で凍結保存し、患者様が外来したときに、皮下注射または静脈への点滴により体内に目的細胞を戻します。日帰りでの治療になります。
理研発のメディカルサイエンス企業である、株式会社理研免疫再生医学では、NKT細胞標的治療に必要な薬剤や培養方法などを開発して、提携医療機関や共同研究機関等との協力により、保険外診療としてNKT細胞標的治療技術を普及することに努めています。
目次